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夜限定で算数・数学の話でも

1 :107 ◆Dnhm9Q9euc @107 ★:2010/08/02(月) 02:15:28 ID:???
職権乱用とはこのこと。
怒られたらやめますし、朝になったらpool行き。

アニメ・漫画の掲示板にこんなふわふわした数学のスレッド。

22 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/04(水) 02:19:56 ID:pHrFy3mg
順同型定理によってわかること.

1)
< a >がaの位数がnの巡回群であれば, Z/nZ と < a >は群同型.
2)
Rを可換環とする.
det:GL(n, R) → R^× は全射準同型ゆえ,
GL(n, R)/SL(n, R) と R^×は群同型.

などなど.

23 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/07(土) 23:14:00 ID:S4vxrFhM
今日は復活。

24 :107@集合論 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 03:28:10 ID:fOvLiye6
集合論一撃必殺

現代の数学はもはや集合なしでは語れないものである。
ただ、今日から数回に分け取り扱う初等的(いかなる数学の分野においても使われる意味で)な
集合論は理解に苦しむ場面が多々あろう。
今回はなるべく複雑になる部分は差し引いて、カントール・ベルンシュタインの定理を
目標にしたいと考えている。
こうして文が長くなるものを後回しにすると後で苦しくなることを知りながら…。

25 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 03:34:04 ID:fOvLiye6
1 集合とは
集合とは「明確に区別できるものの集まり」のことである。

タイトルの内容は実はこの1行で説明できるが、その意味を書いていこうと思う。

上の説明において重要なのは「明確に」のところである。
例えば、「身長が180cmの人の集まり」は集合にできる。
なぜなら「身長180cm」はきちんと定義されているからである。
しかし、「おいしい食べ物の集まり」は集合にならない。
なぜなら「おいしい」が各個人の主観によってしまうからである。

26 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 03:42:30 ID:fOvLiye6
2 集合に関する記号
記号を持ち出すとアレルギーが出る方もいらっしゃるだろう。
しかし、この日本語も記号の一種で、こうして記号化することで
明確にかつ端的に意味を伝達できることからその重要性を認めていただきたい。

集合は基本的は{1, 2, 3}のようにして日本語で言うところの中括弧の中に、
その中身を書き並べることによって表現される。
中身を 元 または 要素 という。
上の例で言えば、1, 2, 3 はこの例の集合{1, 2, 3}の元というわけだ。

ところで、こうして「この例の集合{1, 2, 3}」といちいち言うのは大変だし、
複数の集合が出てきたときに混同する可能性があるのでA = {1, 2, 3}とラベルをつける。
よって「この例の集合{1, 2, 3}」は単に集合Aといえるわけだ。
集合はアルファベットの大文字A, B, C, …, X, Y, …であらわすことが多い。

27 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 03:52:27 ID:fOvLiye6
集合 A について a が A の元であることを、
a ∈ A
とあらわす。これは
A ∋ a
とも書き a は A に属す とか a は A に含まれる という。

集合A, Bについて。
A の全ての元が B に含まれるとき, A は B の部分集合 といい,
A ⊂ B または B ⊃ A
とかく。

A は B の部分集合でかつB は A の部分集合のとき、すなわち、
A ⊂ B かつ B ⊂ A
のとき、 AとBは等しい といい A = B と書く。

28 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 03:57:56 ID:fOvLiye6
>>27について一言二言。

・集合の元である∈と部分集合である⊂を混同する人が続出するので、
気をつけて欲しい。

・集合が等しいというのはすなわち「含み含まれあう」ことだということである。

・部分集合の定義における「A の全ての元が B に含まれる」は
「a ∈ A ⇒ a ∈ B」ということである。

・「A = B」はすなわち「a ∈ A ⇒ a ∈ B」かつ「b ∈ B ⇒ b ∈ A」を示すことである。

29 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 04:03:54 ID:fOvLiye6
言い忘れをはじめに補完しておく。
集合は大文字で表したが、その元は小文字で表すことが多い。
もうすでにその慣例にならって、文章を書いてしまっているが。

次に、実は集合は書き並べる必要は無いのだという話をしたい。
最初に集合というのは基本的には書き並べることだといったが、
実際には次のように書くことが多い。
 A = { x | x が満たすべき性質 }
これは x が満たすべき性質を満たすものは全部 A の元であるということである。
こう書くといったいに何がうれしいのか、それは次の例を通してみていきたい。

30 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 04:13:55 ID:fOvLiye6
それではこの書き方をする集合の具体例を挙げる。

N = { x | x は自然数}
Z = { x | x は整数}
Q = { x | x は有理数}
R = { x | x は実数}
C = { x | x は複素数}

ここから見えてくる書き並べなくてもいい記法のうれしさを見ていこう。
・どの集合も元が無限個あって書き並べるのは無理だが、この書き方ならかける
・割とすっきりと書ける(ことが多い)。
・あ、そういえば突然N, Z, Q, R, C 使いましたが、それは数学の慣例です。
全て英語またはドイツ語の頭文字から来ています。そしてこれからも使います。

31 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 04:24:22 ID:fOvLiye6
>>30の集合たちは本当は太文字で表す。

こうして、集合それ自体の定義は整備されてきたが、こんな集合もある。
 { }
元をひとつも持たない集合ももちろん集合で、これを 空集合 という。
これは特別に∅と名付ける。
実際はこうしてしっかりと空集合の記号が存在するが、
教科書なんかだと分かりやすくギリシャ文字のφで代用されていることが多いし、
私も変換のしやすさからこのφで代用していこうと思う。

以上をまとめると、φ = { } ということである。

32 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 04:42:42 ID:fOvLiye6
そのほかにも集合には雑多な定義があるが、
それは必要に応じて定義していきたい。

3 和集合と共通部分
A, B を集合とする。このとき次の概念が定義される。
A∪B = { x | x ∈ A または x ∈ B } を A と B の和集合(union) といい、
A∩B = { x | x ∈ A かつ x ∈ B } を A と B 共通部分(intersection)という。
高校では分かりやすくVenn図を使うことが多い。

有限個の集合ならばこうして書き並べればいいが、そうでないとき、
すなわちA_1, A_2, …, A_n, …という無限個の集合の列が与えられたとき、
これらのunionやintersectionを書き表す方法として、
∪_[n ∈ N] A_n = ∪_[n=1]^∞ A_n や、
∩_[n ∈ N] A_n = ∩_[n=1]^∞ A_n とあらわすことにする。 

33 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 04:55:01 ID:fOvLiye6
集合A, Bに対して、
A - B ={ x | x ∈ A かつ x は B に属さない }
を A から B を引いた差集合という。

私のようなものが取り扱う数学では、まずひとつ集合を与えて、
その上で理論を展開することがほとんどだ。
その「ひとつ与えた集合」を 普遍集合 といい、今回は X とあらわすことにする。

34 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/08(日) 04:58:12 ID:fOvLiye6
自分の目標であった、1時間半が来てしまいました。
次回は写像の概念から参ります。

35 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 00:17:40 ID:cjbnaTqk
4 写像の概念
A, B を集合とする。
各 a ∈ A に対して、ある b ∈ B を定める規則 f を写像という。
「f が A から B への写像である」を「f : A → B」とあらわす。
また上の b を f (a) と書く。

写像の具体例としては関数が挙げられる。
x ∈ R (実数の集合)に対して、関数 f (x) = x^2 は R の非負の集合への写像であるといえる。

写像にいろいろな条件をかすことによって、
それぞれの集合にどういう関係があるかを見ることが出来る。
写像に対し一般的に定義でき、重要な概念が単射、全射、全単射である。

36 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 00:28:27 ID:cjbnaTqk
定義:(単射、全射、全単射)
A, B を集合とし、f : A → B とする。
このとき
1) f が単射である ⇔ a, a' ∈ A かつ a ≠ a' ならば f (a) ≠ f (a'),
2) f が全射である ⇔ 任意の b ∈ B に対して,ある a ∈ A が存在してb = f (a) とあらわせる,
3) f が全単射である ⇔ f が全射かつ単射である

f が全射であることを言い表すのに、
f (A) = { f (a) ∈ B | a ∈ A } ( f の像という)
という表記法を使うと便利なことが多い。
>>29で | の左側には単に x だけ書いていたのに、今では f (a) ∈ B などと書いている。
これは同時に
・f (A) の元は全てある a ∈ A が存在して f (a) とあらわせる
・B の部分集合である
という2つのことが述べられる便利な略記法なのである。

37 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 00:35:18 ID:cjbnaTqk
この略記法によって、
f が全射である ⇔ f (A) = B
ともかけるのである。

単射、全射、全単射について大まかに言っておこう。
単射とは A の元が f により増減無く丸ごとうつせることを意味している。
さらにこれは行き先が常にバラバラであることも意味している。
全射とは B の情報が f によって捕らえられることを意味している。
全単射は A と B の元は一対一に対応することを意味する。

38 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 00:47:06 ID:cjbnaTqk
さていよいよ、カントール・ベルンシュタインの定理である。

定理:(カントール・ベルンシュタインの定理)
集合 A, B に対して、A から B への単射が存在し、かつ
B から A への単射が存在すれば、A から B への全単射が存在する。

つまりそれぞれが増減なく移しあえるならば、
元の一対一対応を作ることができるというわけだ。
というわけだ、といいつつこの構成法はと問われるとこのような証明になる。
次のレスから証明。

39 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 01:07:57 ID:cjbnaTqk
∵)
f : A → B を単射、g : B → A を単射とする。
f (A) ⊂ B に対して、B_1 = B - f (A) とおく。
以下、A_n = g (B_n), B_[n+1] = f (A_n), (n ∈ N) とおく。
その上で、
A_[*] = ∪_[n ∈ N] A_n, A^[*] = A - A_[*],
B_[*] = ∪_[n ∈ N] B_n, B^[*] = B - B_[*] と定める。
このとき、
f (A^[*]) = f (A) - ∪_[n ∈ N] f(A_n) = f (A) - ∪_[n ∈ N] B_[n+1]
f は単射でかつ B_1 = B - f (A) より f (A) =B - B_1 なので、
f (A^[*]) = B - ∪_[n ∈ N] B_[n] = B - B_[*] =B^[*].
また、
g (B_[*]) = ∪_[n ∈ N] g (B_n) = ∪_[n ∈ N] A_n =B_[*].
よってそれぞれ f は A^[*] から B^[*]への全単射であり、
g は B_[*] から A_[*] への全単射で特にこの B_[*] から A_[*] への全単射は
元が一対一対応していることから、A_[*] から B_[*] への全単射が作れる。
それを g^[-1] とおいて、写像 F : A → B を
a ∈ A が a ∈ A^[*] ならば F (a) = f (a) とし、a ∈ A_[*] ならば F (a) = g^(-1) (a)
と定めれば F が A から Bへの全単射である。 ■

40 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 01:17:03 ID:cjbnaTqk
>>39の証明において、B_1 = B - f (A) = φ ならば f が全単射なので終わっています。
よってB_1 = B - f (A) ≠ φ の場合を考えていることには注意しておくべきだった。

証明のキーは最初に f で A をうつしたときに B の元で f ではうつらなかったものの処理を、
A_n, B_n を定義してやることにある。

この証明が効く例を2,3あげて終わりにしよう。

41 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 01:39:33 ID:cjbnaTqk
例:
a, b ∈ R, a < b とする.
A = { x ∈ R | a ≦ x ≦ b },
B = { x ∈ R | a < x < b }とおく。
このとき, f : A → B を f (x) = (1/2)x + ( a + b )/4 , x ∈ A と定め、
g : B → A を g (x) = x と定めるといずれも単射。
よって、カントール・ベルンシュタインの定理よりA から B への全単射が存在する。

2,3も挙げられなかったことを恥じつつ。
この定理は一体何かというと、実は集合の濃度が順序集合であることを示す際に使われたり、
上で挙げたような具体例にも適用される、集合論ではじめに習う有名な定理なのだ。
だからこそ自分の言葉でまとめておきたかったわけで、
まとめるという意味では達成できたのではないかと思う。
ただ若干の数学用語の説明をせずに来てしまった部分もあるので、
次回このような形式で進める際には気をつけたいと考えている。

42 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/09(月) 03:30:13 ID:cjbnaTqk
それではまた明日。

43 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 22:49:24 ID:0McISODo
それではといってから2週間。ここに復活。

最近、大人の数学が流行っているようですね。
偶然にも世の中の流れに乗ってしまった(?)みたいで。

今日は高校レベルの数列でも。

44 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 22:55:21 ID:0McISODo
数列とは、書いて字のごとく数を並べて列にしたものです。
実例を挙げると
1, 2, 3, …
とか
1421, 4232, 51253, …
みたいなものです。数が並べば数列なんです。

でも高校で学ぶ数列はでたらめに並んだ数列ではなく、
一定の規則をもった数列を学ぶことになります。
さて、それでは数列の初歩からはじめようと思います。

45 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 23:07:30 ID:0McISODo
1 数列の書き表し方

数列は>>44であげたように、実際に数を並べてもよいのですが、
a_[1], a_[2], a_[3], …, a_[n], …
として一般的にあらわすことができます。(紙に書くときは、aの右下に数字を添える)
それぞれの a_[n] を数列の 第 n 項 と呼びます。
つまり、a _[1] は 第1項、a _[2] は 第2項、のようにいいあらわすのです。
そして、もちろん a ばかりでなく b や c を使ってもあらわせます。

ところでこの数列の勉強は何を目的に行うかというと、
任意の n に対して a_[n] を n を含んだ式によってあらわすことにあるのです。
この a_[n] を数列の 一般項 といいます。
ここで、数列 a_[1], a_[2], a_[3], …, a_[n], … を
一般項を用いて{ a_[n] }とかけることに注意しておきます。

46 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 23:14:18 ID:0McISODo
また a_[1] を数列 { a_[n] } の 初項 とよび、
もし数列の個数が有限個であれば、その最後の数を 末項 といいます。

47 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 23:19:29 ID:0McISODo
2 等差数列

1, 3, 5, 7, …

-4, -1, 2, 5, …
のような数列は観察すると、第 n 項に一定の数をたすと、
第 (n + 1) 項になっていることが分かります。
上の数列は +2 することで、下の数列は +3 することでとなりの数が得られています。
このように隣との差が一定の数列を 等差数列 といいます。

48 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 23:25:59 ID:0McISODo
実際に確かめてみましょう。
上の数列の場合
3 - 1 = 2, 5 - 3 =2, 7 - 5 = 2, …
下の数列の場合
(-1) - (-4) = 3, 2 - (-1) = 3, 5 - 2 = 3, …

等差数列において、この等しい差を 公差 とよびます。

49 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 23:38:09 ID:0McISODo
さて、等差数列の一般項を求めましょう。
{ a_[n] } を等差数列とし、その初項と公差をそれぞれ a, d とおきます。
任意の n に対して
a_[n] - a[n - 1] = d,
a_[n - 1] - a[n - 2] = d,
a_[n - 2] - a[n - 3] = d,

a_[3] - a[2] = d,
a_[2] - a[1] = d,
が成り立つので、左辺どうし、右辺どうしたし合わせてみると、
左辺は a[n - 1], a[n - 2], …a_[2] が相殺して、a_[n] - a_[1]が得られ、
右辺は式の個数が ( n - 1 ) 個なので、( n - 1 )d が得られるので、
a_[n] - a_[1] = ( n - 1 )d
ところで、a_[1] は初項であり a なので、一般項は、
a_[n] = a + ( n - 1 )d
となる。これが等差数列の一般項である。

50 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/22(日) 23:44:29 ID:0McISODo
例にあてはめて見ましょう。
1, 3, 5, 7, …の場合
この数列は初項が 1 、公差が 2 の等差数列なので一般項 a_[n] は
a_[n] = 1 + (n - 1)・2 = 2n - 1
である。

-4, -1, 2, 5, …の場合
この数列は初項が -4 、公差が 3 の等差数列なので一般項 a_[n] は
a_[n] = -4 + (n - 1)・3 = 3n - 7
である。

次回は等差数列の初項から第 n 項までの和(足し算)はどうなるかを求めます。

51 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/27(金) 04:01:15 ID:BGeDgS52
ふと思い出したので。

定理:(線分上の不動点定理)
f : [a, b] → [a, b] を連続関数とする.
そのときにある c ∈ [a, b] で f ( c ) = c となる点 c が存在する.

(証明)
g (x) = f (x) - x として[a, b]上の関数 g を定める.
仮定より g は連続関数である.
ここで, a ≦ f (a) ≦ b, a ≦ f (b) ≦ b, であることに注意すると,
g (b) ≦ 0 ≦ g (a) となる.
g (a) = 0 または g (b) = b ならば f (a) = a または f (b) = b ゆえ示される.
そこでここでは g (a) ≠ 0 かつ g (b) ≠ b とすると,
g (b) < 0 < g (a) となるので連続関数における中間値の定理より,
ある c ∈ [a, b] で g ( c ) = 0 となる点 c が存在する.
この c について f (c) - c = 0 であるから示される. ■

52 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/27(金) 04:03:32 ID:BGeDgS52
>>51ミスしてました…。
× g (b) = b
○ g (b) = 0
そのしたの行の = を ≠ に置き換えたものも b ではなく 0 です。
失礼しました。

53 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/27(金) 04:28:34 ID:BGeDgS52
>>50の続き

3 等差数列の和
数列 { a_[n] } を 初項 a , 公差 d の等差数列とします。
このとき、初項から第 n 項までの和(足し算)はどうなるでしょうか。
これが分かると例えば、1 + 2 + 3 + … + 1000 も計算できるようになりますね。
さて方針は、ガウスの逸話で有名な方法とまったく同じように示します。

54 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/27(金) 04:40:13 ID:BGeDgS52
初項から第 n 項までの和を S とおきます。
そのとき、
S = a_[1] + a_[2] + a_[3] + … + a_[n]
 = a + (a + d) + (a + 2d) + … + (a + (n-1)d)
ですね。ここで発想の転換なのですが、
S = a_[n] + a_[n-1] + a_[n-2] + … + a_[1]
 = (a + (n-1)d) + (a + (n-2)d) + (a + (n-3)d) + … + a
でもあることに注意します。ここで辺々足すのです。
2S = (a_[1] + a_[n]) + (a_[2] + a_[n-1]) + (a_[3] + a_[n-2]) + … + (a_[n] + a_[1])
  =(a + a + (n-1)d) + (a + d + a + (n-2)d) + (a + 2d + a + (n-3)d) + … + (a + (n-1)d + a)
  =(2a + (n-1)d) + (2a + (n-1)d) + … + (2a + (n-1)d) (← 同じのが n 個あらわれている!)
  =n(2a + (n-1)d)
したがって、両辺2で割って
S = (1/2)n(2a + (n-1)d)
となります。ここで見方を変えると
S = (1/2)n(a + (a + (n-1)d))
なので
S = (1/2)n(a_[1] + a_[n])
とも見られます。つまり初項と末項が分かったらそれらを足して n 倍して 2 で割ればいいんですよ。

55 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/27(金) 04:48:25 ID:BGeDgS52
早速、1 + 2 + 3 + … + 1000に使ってみましょう。
この和を S とおくと、
S = (1/2)・1000・(1 + 1000) (数列の個数は 1000 個、初項は 1 、末項は 1000)
 =500500

ガウスは小学生のときにこれを1から100までの場合に適用して、
一瞬で5050をだして先生をびっくりさせたようです。
まあ、先生じゃなくてもびっくりですけど。

それはそうと、この公式を奇数の数列に適用するとなかなか面白い結果が得られます。
奇数の第 n 項は 2n -1 であることに注意すると、その和 S は
S = (1/2)n(1 + 2n - 1) = n^2
です。まさかの n^2 ですよ。この結果をみて高校生の私はいたく感動したのです。
…どうでもいいですか。失礼しました。
納得できない方へ…。一応。
1 = 1^2, 1 + 3 = 4 = 2^2, 1 + 3 + 5 = 9 =3^2, 1 + 3 + 5 + 7 = 16 = 4^2, …

56 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/27(金) 05:00:33 ID:BGeDgS52
さて、1 + 2 + … + n についてもこの公式を適用して、
それも公式として記述しておきましょう。
この数列は初項が 1, 末項が n の等差数列なので、その和 S は
S = (1/2)n(1 + n)
として得られます。

かなりのつめこみ教育ですが、ここで新しい記号を導入します。
数列(別に等差数列である必要は無い。){ a_[n] } の第 n 項までの和 S は
S = a_[1] + a_[2] + a_[3] + … + a_[n]
とかけるわけですが、これを毎回書くのは案外面倒ですよね。そこで
この数列{ a_[n] } の第 n 項までの和 S を
S = Σ_[k = 1]^[n] a_[k]
とここではあらわします。
紙の上ではシグマ記号を大きく書いてその上と下にそれぞれ、「n」「k = 1」と書きます。
実際に書き表されている例はWikipediaなどを参照してください。
ここで a_[k] などの添え字 k は何でもよくて、
S = Σ_[k = 1]^[n] a_[k] = Σ_[i = 1]^[n] a_[i] = Σ_[j = 1]^[n] a_[j]
などとかいてもかまいません。が、よく k, i, j が使われます。

57 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/27(金) 05:07:32 ID:BGeDgS52
ここまでの等差数列の公式をひとまとめにして今日は終わりにします。

数列{ a_[n] }が初項 a ,公差 d の等差数列のとき
一般項 a_[n] = a + (n-1)d (参照>>49)

等差数列の和
Σ_[k = 1]^[n] a_[k] = (1/2)n(2a + (n-1)d))
           = (1/2)n(a_[1] + a_[n]) (参照>>54

具体例で覚えるべきもの
Σ_[k = 1]^[n] k = (1/2)n(n + 1) (参照>>56),
Σ_[k = 1]^[n] (2k - 1) = n^2  (参照>>55).

58 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/28(土) 00:49:37 ID:uOfo29mg
4 等比数列

1, 2, 4, 8, …

-5, 10, -20, 40, …
のような数列を観察してみると、
第 n 項に一定の数をかけると、第 (n+1) 項になっています。
上の数列は ×2 することで、下の数列は ×(-2) することで得られています。
このように隣との比、つまり商が一定の値になる数列を 等比数列 といいます。

実際に確かめてみましょう。
上の数列は、
2 / 1 = 2, 4 / 2 = 2, …
下は
10 / (-5) = -2, -20 / 10 = -2, …

等比数列において、この等しい比を 公比 とよびます。

59 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/28(土) 00:50:08 ID:uOfo29mg
等差数列のときと話の流れが一緒なので、お気づきだと思いますが、
ここからは等比数列の一般項を求めてみましょう。
{ a_[n] } を等比数列とし、その初項と公比をそれぞれ a, r とおきます。
任意の n に対して、{ a_[n] } が等比数列なので
a_[n] / a_[n-1] = r,
a_[n-1] / a_[n-2] = r,

a_[3] / a_[2] = r,
a_[2] / a_[1] = r,
が成り立ちます。そこで左辺どうし、右辺どうしかけ合わせてみましょう。
左辺は a_[n-1], a_[n-2], …, a_[2] が約分され、a_[n] / a_[1] となります。
右辺は r を (n-1) 回かけるので、r^(n-1) となります。
これらをあわせて
a_[n] / a_[1] = r^(n-1)
a_[1] = a (初項)なので,
a_[n] = a・r^(n-1)
が得られます。これが等比数列の一般項となります。

60 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/28(土) 00:51:08 ID:uOfo29mg
5 等比数列の和
{ a_[n] } を初項 a, 公比 r の等比数列とします。
このとき、Σ_[k = 1]^[n] a_[k](初項から第 n 項までの和。>>56参照)はどうなるでしょうか。

ところで r = 1 のときは、a + a + … + a = na なので一瞬でけりがつきます。
なので、r ≠ 1 とします。
S = Σ_[k = 1]^[n] a_[k] = Σ_[k = 1]^[n] a・r^(k-1)
 = a + a・r + a・r^2 + … + a・r^(n-2) + a・r^(n-1)
とおいて、両辺を r 倍します。すると、
r・S = Σ_[k = 1]^[n] a・r^k
   = a・r + a・r^2 + a・r^3 + … + a・r^(n-1) + a・r^n
辺々ひくと、右辺で a・r, a・r^2, …, a・r^(n-2), a・r^(n-1) が相殺して、
S - r・S = a - a・r^n
(1 - r)S = a・(1 - r^n)
r ≠ 1 だったので、両辺を (1 - r) で割りましょう。そうすれば
S = a・(1 - r^n) / (1 - r)
となります。こうして和が得られました。なかなか巧妙な方法ですよね。

61 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/28(土) 00:52:33 ID:uOfo29mg
見やすいように以上をまとめておきます。
数列{ a_[n] } が初項 a, 公比 r の等比数列の場合
一般項 a_[n] = a・r^(n-1) (参照>>59)

等比数列の和
Σ_[k = 1]^[n] a_[k] = a・(1 - r^n) / (1 - r) (r ≠ 1 のとき)
           = na (r = 1 のとき)
(参照>>60

62 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/28(土) 20:00:20 ID:hCQbbITQ
円周率 π = pi の値を計算で求めるときに、
収束が早く、よく使われる公式にMachinの公式があります。

公式:(Machinの公式)
pi / 4 = 4Arctan(1/5) - Arctan(1/239).

求め方
1 / 5 = tan(a), 1 / 239 = tan(b) とおきます。
主値をとることにすれば、
a = Arctan(1/5), b = Arctan(1/239).
よって、tan(4a -b) = 1 を示せばよいことが分かります。
そのために tan(4a) を求めます。二倍角の公式を繰り返し用いると、
tan(2a) = 2tan(a)/( 1 - tan^2(a) ) = 5 / 12,
tan(4a) = 2tan(2a)/( 1 - tan^2(2a) ) = 120 / 119
となります。これらから、
tan(4a - b) = ( tan(4a) - tan(b) )/( 1 - tan(4a)tan(b) )
      = ( (120 / 119) - (1 / 239) )/( 1 - (120 / 119)(1 / 239) )
      = 1.
よって示されました。

63 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 03:25:36 ID:VjqPmsko
5 階差数列

等差数列、等比数列は数列の基礎基本で、
一般項を求めることや、その和を求めることをマスターするのはあっという間だと思います。
高校レベルの数列で複雑になってくるのはこの階差数列からです。

いつものようにまずは階差数列の具体例をごらんいただきましょう。
{ a_[n] } : 1, 7, 18, 34, 55, …
この数列はどのような規則性で並んでいるでしょうか。

64 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 03:26:07 ID:VjqPmsko
等比数列にはなりそうにないですね。実際、となりあった数の比はバラバラです。
それでは、等差数列だ、と考え隣り合った数の差を求めてみます。
7 - 1 = 6, 18 - 7 = 11, 34 - 18 = 16, 55 - 34 = 21, …
つまり、
{ b_[n] } : 6, 11, 16, 21, …
ですから、差は一定ではないので、元の数列{ a_[n] }はもちろん等差数列ではありません。
しかしながら、この元の数列の隣り合った数の差の数列{ b_[n] }は、初項 6, 公差 5 の等差数列になっていますね。
この元の数列の隣り合った数の差の数列{ b_[n] }を 階差数列 と呼びます。
上の例からも分かるとおり、この b_[n] は
b_[n] = a_[n+1] - a_[n], n = 1, 2, 3, …
として定義されます。
そして、この階差数列を用いることで、元の数列の一般項が求められる場合があります。

65 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 03:26:38 ID:VjqPmsko
なぜか、というと>>49と似たような手順を踏むことで分かります。
数列{ a_[n] }に対して、その階差数列を{ b_[n] }とします。
階差数列の定義から、b_[n] = a_[n+1] - a_[n], n = 1, 2, 3, …
なので、任意の n ≧ 2 に対して
a_[n] - a_[n-1] = b_[n-1],
a_[n-1] - a_[n-2] = b_[n-2],

a_[3] - a_[2] = b_[2],
a_[2] - a_[1] = b_[1]
となります。>>49と同じように左辺どうし、右辺どうし足し合わせてみます。
左辺は>>49と全く一緒でa[n - 1], a[n - 2], …a_[2] が相殺して、a_[n] - a_[1]が得られます。
右辺は Σ_[k = 2]^[n] b_[k-1] があらわれます。
つまりこの右辺の和が求められるなら、
すなわち今の状況なら b_[n] が等差数列または等比数列ならば
その和は求めてあるので a_[n] = a_[1] + Σ_[k = 2]^[n] b_[k-1] として a_[n] が求められます。
注意としては、n ≧ 2 として求めたので、 n = 1 のときは保障されないということです。

66 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 03:28:35 ID:VjqPmsko
理論はこのくらいにして、実際に先ほどの例に当てはめて見ましょう。

数列{ a_[n] } : 1, 7, 18, 34, 55, …
に対してその階差数列 { b_[n] } は
{ b_[n] } : 6, 11, 16, 21, …
という初項 6, 公差 5 の等差数列なのでその一般項は b_[n] = 6 + (n - 1)・5 = 5n + 1 です。
つまり、a_[k] - a_[k-1] = 5(k-1) + 1 = 5k - 4 なので、
両辺を k = 2, 3, …, n (n ≧ 2)について足すと、
a_[n] - a_[1] = Σ_[k = 2]^[n] (5k - 4)
なので、等差数列の和の公式を利用し、整理すると、
a_[n] = 1 + (1/2)(n - 1)(5n + 2) = (n/2)(5n - 3) , n ≧ 2
となります。ところでこの式において n = 1 としてみると
a_[1] = (5/2) - (3/2) = 1
となって偶然一致しています。この偶然をもって数列{ a_[n] }の一般項は
a_[n] = (n/2)(5n - 3)
と結論付けることが出来るのです。
先ほどの注意のとおり、この方法で求めた a_[n] は n = 1 のときは保障されないので吟味が必要なのです。

67 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 03:29:06 ID:VjqPmsko
「見かけ上何の規則性もないように見える数列は階差数列を求めてみる」
これが高校数学の数列の技のひとつです。
階差数列の問題は奥が深くて、階差数列を1度とるだけでは分からず、
もう一度その階差数列の階差数列をとることで元の数列の一般項が分かるものもあります。
計算は数列独特のワンパターンな計算なんですが、
ひいてたして、吟味してと段階を踏むので混乱しがちです。
これは訓練を繰り返すことで慣れていくしかないと思います。

68 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 03:39:53 ID:VjqPmsko
今後の予定
6 数列の和が与えられている場合の一般項
7 その他の数列の一般項
7.1 部分分数分解
7.2 一般項が(等差)・(等比)となっているときの和
8 漸化式
8.1 漸化式とは
8.2 隣接二項漸化式
8.3 隣接三項漸化式
9 数学的帰納法

69 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 19:26:47 ID:TWo79ZRI
6 数列の和が与えられている場合の一般項

今までの話は数列{ a_[n] }が与えられたとき、
その和を求めるということをしてきました。
それでは逆に、和が与えられたとき元の数列の一般項はどうやったら求められるでしょうか。

数列{ a_[n] }に対して、第 n 項までの和を S_[n]とおきます。すなわち、
S_[n] = a_[1] + a_[2] + … + a_[n-1] + a_[n] = Σ_[k = 1]^[n] a_[k].
ところで、n ≧ 2 のとき、
S_[n-1] = = a_[1] + a_[2] + … + a_[n-1] = Σ_[k = 1]^[n-1] a_[k]
なので、S_[n] と S_[n-1] の関係は
S_[n] = S_[n-1] + a_[n]
です。すなわち、S_[n] の正体がはっきりしていれば、a_[n] (n ≧ 2)は
a_[n] = S_[n] - S_[n-1]
で求められるのです。
最後に、a_[1] はどうするのかといいますと、S_[n] の置き方から、
S_[1] = a_[1]
です。これで完全に数列{ a_[n] }が求められました。

70 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/29(日) 19:27:31 ID:TWo79ZRI
例を通して確認してみましょう。数列{ a_[n] }の和{ S_[n] }が
{ S_[n] } : 1, 8, 21, 40, 65, …
で与えられているとき、数列{ a_[n] }の一般項を求めましょう。
S_[n] の規則性を調べるために、S_[n] の階差数列を求めます。
7, 13, 19, 25, …
これは、初項 7, 公差 6 の等差数列です。よって、S_[n] の一般項は
S_[n] = 1 + Σ_[k = 2]^[n] (7 + 6(k - 2)) = 3n^2 - 2n.
したがって、n ≧ 2 のとき、a_[n] は
a_[n] = (3n^2 - 2n) - (3(n - 1)^2 - 2(n - 1))
   =6n - 5.
また、a_[1] = S_[1] = 1 となりまして、
これは n ≧ 2 のときの一般項 a_[n] に n = 1 を代入したものに一致します。
したがって、 a_[n] = 6n - 5 となります。

71 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/30(月) 22:59:54 ID:eR2p6rQA
7 その他の数列の一般項
7.1 部分分数分解
ある特殊な分数の和については、簡単に出来る場合があります。

Σ_[k = 1]^[n] 1/(k・(k + 1))
= 1/(1・2) + 1/(2・3) + … + 1/(n・(n + 1))
= (1/1 - 1/2) + (1/2 - 1/3) + … + (1/n - 1/(n + 1))
=1 - (1/(n + 1))

このように分数を分数の差に分解して和を求める手法はよく使われます。
これを部分分数分解といいます。

72 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/08/30(月) 23:00:25 ID:eR2p6rQA
7.2 一般項が(等差)・(等比)となっているときの和
タイトルの意味をまず具体例で見てみましょう。

a_[n] = (3n - 2)・2^(n-1) として第 n 項までの和 S_[n] 、すなわち
S_[n] = (3・1 - 2)・1 + (3・2 - 2)・2^1 + (3・3 - 2)・2^2 + … + (3n - 2)・2^(n-1)
を求めよ。

これが問題です。どうするのかというと、等比数列の和を求めたようにしてやるのです。
まず、一般項 a_[n] が等差数列と等比数列の積であることに注目して、
等比数列側の公比を S_[n] の両辺にかけます。今回は 2 なので、
2・S_[n] = (3・1 - 2)・2 + (3・2 - 2)・2^2 + (3・3 - 2)・2^3 + … + (3n - 2)・2^n
辺々引くと、
S_[n] - 2・S_[n] = 1 + 3・(2 + 2^2 + … 2^(n-1)) - (3n - 2)・2^n
- S_[n] = 1 + 6・(2^(n-1) - 1) - (3n - 2)・2^n
よって、
S_[n] = (3n - 5)・2^n + 5
が得られました。
要約すれば、等差数列と等比数列(公比 r )の積は S_[n] - r・S_[n] を計算すればいいのです。

73 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/08(水) 05:40:22 ID:IMhn2lLo
8 漸化式
数列の第 n 項が第 1, 2, …, n-1 項によって決まるようなものがある。
等差数列や等比数列もこの仲間である。なぜなら
等差数列 {a_[n]} の 初項を a, 公差を d とすると、a_[1] = a, a_[n+1] = a_[n] + d
とあらわせる。また、
等比数列 {b_[n]} の 初項を b, 公比を r とすると、b_[1] = b, b_[n+1} = r・b_[n]
とあらわせるからである。

高校レベルの話であれば、高々2、3項の簡単な漸化式しか扱いませんし、
もっといえば手計算ではその程度しか求められないと思います。

74 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/08(水) 05:40:56 ID:IMhn2lLo
8.1 隣接二項漸化式
数列 {a_[n]} が次のようにあらわされているとします。
a_[1] = 2, a_[n+1] = 3a_[n] + 2.
これを隣接二項漸化式といいます。
このような漸化式の一般項を求めてみようというのがこの節です。
ご覧のとおり、等比数列とも等差数列ともいいがたい形をしています。
なのでいままでのような方法では求めることは出来ません。

ここから、特性方程式を使って求める方法を紹介します。
与えられた漸化式において a_[n+1] = 3a_[n] + 2 の a_[n+1]、a_[n] を c に変えたものを考えます。
c = 3c +2
与えられた漸化式からこの式を辺々引いてみましょう。
a_[n+1] - c = 3a_[n] - 3c
つまりこれは、a_[n+1] - c = 3(a_[n] - c) なので、{a_[n] - c} を数列と見れば、等比数列です。
c = 3c +2 は一次方程式なので解くと、c = -1 です。
以上をまとめると、{a_[n] + 1} は初項 a_[1] + 1 = 2 + 1 = 3, 公比 3 の等比数列です。
等比数列の一般項は a_[n] + 1 = 3・3^(n-1) = 3^n であり、これより元の数列の一般項が
a_[n] = 3^n - 1 として得られます。

…まあ、知らなければ解けない方法ですね。逆に知っていれば一撃です。

75 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/08(水) 06:10:04 ID:IMhn2lLo
はみ出し - 隣接二項漸化式〜こんなときどうする?〜
1)
数列 {a_[n]} が次のようにあたえられているとします。
a_[1] = 2, a_[n+1] = 3a_[n] + 2^n.
このときは、両辺を2^(n+1)で割ってみれば、
(a_[n+1] / 2^(n+1)) = (3/2)(a_[n] / 2^n) + (1/2)
なので、b_[n] = a_[n] / 2^n とおくと、
b_[1] = a_[1] / 2 = 1, b_[n+1] = (3/2)b_[n] + (1/2)
これは>>74の形なので解けます。

2)
数列 {a_[n]} が次のようにあたえられているとします。
a_[1] = 2, a_[n+1] = 3a_[n] + 2n + 5.
これは a_[n+1] = 3a_[n] + 2n + 5 の番号を一つ次にずらすのです。
a_[n+2] = 3a_[n+1] + 2(n+1) + 5
辺々下から上を引きましょう。
a_[n+2] - a_[n-1] = 3(a_[n+1] - a_[n]) + 2
数列 {a_[n+1] - a_[n]} は>>74の形なので解けます。
一般に>>74の + 2 の部分が n に関する一次式の形であれば同様に解けます。

76 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/08(水) 06:10:36 ID:IMhn2lLo
3)
数列 {a_[n]} が次のようにあらわされているとします。
a_[1] = 1/2, a_[n+1] = 2a_[n] / (a_[n] +1).
所謂分数形です。
これはa_[1] > 0 なので全ての n に対して a_[n] ≠ 0 に注意して、両辺の逆数をとりましょう。
1/a_[n+1] = (1/2)・(1 / a_[n]) +(1/2)
数列 {1/a_[n]} は>>74の形なので解けます。

4)
分数形をもうひとつ。
数列 {a_[n]} が次のようにあらわされているとします。
a_[1] = 1/2, a_[n+1] = (2a_[n] + 1) / (a_[n] + 2).
この場合は>>74のようにa_[n+1]、a_[n] を c に変えたものを考えると、
c = (2c + 1) / (c + 2) ですがこれは c + 2 を払うと二次方程式になりますね。
二次方程式の解は 1, -1 ですが、a_[n+1] = (2a_[n] + 1) / (a_[n] + 2) の両辺から 1 を引きましょう。
すると a_[n+1] - 1= (a_[n] - 1) / (a_[n] + 2) = (a_[n] - 1) / (a_[n] - 1 + 3)
これは、a_[n] - 1 をひとかたまりにみると、3)の形なので解けます。

などなど隣接二項漸化式には色々なパターンがありますが、
基本は>>74や4)のようにa_[n+1]、a_[n] を c に変えたものを考える、
2)のように一つ次にずらして元のから引くというところでしょう。

77 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/09(木) 03:17:47 ID:kehtxu9w
8.2 隣接三項漸化式
数列 {a_[n]} が次のようにあらわされているとします。
a_[1] = 2, a_[2] = 3, a_[n+2] - 3a_[n+1] + 2a_[n] = 0.
このような形の漸化式を隣接三項漸化式といいます。

これを解くには次の二次方程式を考えます。
c^2 - 3c + 2 = 0
作り方は a_[n+2] を c^2 に、a_[n+1] を c に、a_[n] を 1 に変えたものです。解を求めましょう。
(c - 1 )(c - 2) = 0
c = 1, 2.
これからどうやって求めるかというと、この解から
a_[n+2] - 3a_[n+1] + 2a_[n] = 0
a_[n+2] - (1 + 2)a_[n+1] + 1・2a_[n] = 0
なので、
a_[n+2] - a_[n+1] = 2( a_[n+1] - a_[n] ) ,
および
a_[n+2] - 2a_[n+1] = a_[n+1] - 2a_[n] ,
と二通り変形できることに着目します。
上の式は数列 { a_[n+1] - a_[n] } が初項 1, 公比 2の等比数列なので一般項は、a_[n+1] - a_[n] = 2^(n-1).
下の式は数列 { a_[n+1] - 2a_[n] } が初項 -1, 公比 1の等比数列なので一般項は、a_[n+1] - 2a_[n] = -1.
上から下を引くと、a_[n] = 2^(n-1) + 1 なので一般項が求められます。

まとめると、与えられた漸化式から作り出した二次方程式の解が、
異なる二つの解であれば式を変形して二通りの等比数列を作ればよいのです。

78 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/09(木) 03:18:47 ID:kehtxu9w
では、二次方程式の解がひとつの場合にはどうするのでしょうか。
具体例で考えてみましょう。
数列 {a_[n]} が次のようにあらわされているとします。
a_[1] = 2, a_[2] = 3, a_[n+2] - 6a_[n+1] +9a_[n] = 0.

c^2 - 6c + 9 =0 は c = 3 で重解なので与えられた漸化式は
a_[n+2] - 3a_[n+1] = 3(a_[n+1] - 3a_[n])
とだけ変形できます。
これは数列 { a_[n+1] - 3a_[n] } が初項 -3, 公比 3 の等比数列ということがわかるので、
一般項が a_[n+1] - 3a_[n] = (-3)・3^(n-1) であらわせることを意味します。
ところで、この形は>>75の1)の形、すなわち隣接二項漸化式です。
よって両辺を 3^(n+1) で割ると>>74の形なので解けます。

実はこの節の最初で取り扱った漸化式もこの方法で解けます。
このように二次方程式を立ててから解くタイプの問題は、
隣接二項漸化式に帰着可能なので>>74-76のいずれかで解けます。

79 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/09(木) 03:46:35 ID:kehtxu9w
9 数学的帰納法
全ての自然数 n に対して
1 + 2 + 3 + … + n = (1/2)n(n + 1)
ということを等差数列の和の公式から導きました。(>>56参照)

それではこの公式を使わずに証明するにはどうすればいいでしょうか。
ひとつの方法として数学的帰納法を用いる方法があります。

数学的帰納法とは…
自然数 n についての命題 P(n) が与えられたとします。
1) P(1) で成立する,
2) P(k) で成立すると仮定すると、P(k+1) で成立する
この二段が示されたとすると全ての自然数で成立することが示されます。
なぜなら P(1) で成立するので、2)によって P(2) で成立します。
P(2) で成立するので、2)によって P(3) で成立します。
P(3) で成立するので、2)によって P(4) で成立します。
…これが延々と全ての自然数でいえることから、全ての自然数で成立することがわかるのです。
学校ではドミノ倒しのように…などといわれる話です。

80 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/09(木) 03:47:08 ID:kehtxu9w
早速、1 + 2 + 3 + … + n = (1/2)n(n + 1) を示してみましょう。
(証明)
左辺を S_[n] とおきます。
1)
n = 1 のときは、S_[1] = 1 であり、右辺は (1/2)・1・(1 + 1) = 1 なので成り立っています。
2)
n = k のとき、S_[k] = (1/2)k(k + 1) が成り立つと仮定します。
n = k+1 のときは
S_[k+1] = 1 + 2 + 3 + … + k + (k+1) (左辺をそのまま書き下した)
     = S_[k] + (k+1) (S_[k] = 1 + 2 + 3 + … + k に着目した)
     = (1/2)k(k + 1) + (k+1) (数学的帰納法の仮定)
     = (k+1)( (1/2)k + 1 ) ( (k+1) でくくった)
     = (1/2)(k + 1)(k + 2)
これは S_[n] = (1/2)n(n + 1) の n に k+1 を代入したものになっています。
つまり n = k + 1 で成立することが分かります。
以上1)、2)によって全ての自然数で成立することが示されました。 ■

81 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/09/09(木) 04:06:45 ID:kehtxu9w
これにて数列の話はおしまいです。

前にも書いたとおり、手計算できるレベルの数列は大体これで尽くされています。

この章は公式を覚えるということはほとんど無く、
計算の過程を手を動かして理解していくことが大切だと思います。

数列は具体的な項から、一般項を予測したり、
漸化式で計算の楽しさを味わうのに非常にいい題材だと考えますので、
楽しみながら学んで欲しいと思います。

82 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/10/15(金) 01:36:24 ID:9BZ8e5uY
瞑想期間を経て復活。
思いのほか期間が開いたのは、私の体調によっているせいです。

83 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/10/26(火) 01:42:07 ID:GcOWwVTw
ETV高校講座数学始まり始まり。
今日は整式ということです。

整式ってあれですよ。
x + 1 とか 3a^2 + a + 5 みたいなやつ全体のことですよ。

84 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/10/26(火) 01:52:04 ID:GcOWwVTw
中学校の復習から入っているので、
特段書くことはありません。

問題2
1)-7b^3c^2
2)ab/9

85 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/10/26(火) 01:57:10 ID:GcOWwVTw
文字の利用です。
上のほうでやった数列等でも散々やっているので取り上げません。

問題3
1)V = a^3 (cm^3)
2)1000 - 3b (円)

86 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/10/26(火) 02:04:07 ID:GcOWwVTw
整式の話ですねー。

次数と係数はよく文章を見ないと間違えますね。

例えば、単項式 5(x^4)(y^3)(z^2) について
1)この単項式の次数
この場合は全ての文字についての積の個数なので 9 .
2) x についてみたときの係数
x のみを主人公にするので 5(y^3)(z^2) .

などなど。何が主人公かを見極めねばなりません。
まあ、これは言葉の問題ですし、高校レベルで多変数関数を取り扱うことは少ないので、
この単元のみで問題になる話のような気がします。

87 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/10/26(火) 02:06:13 ID:GcOWwVTw
問題5
1) 1
2) 2
3) 3

ということで。

88 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/11/10(水) 04:27:09 ID:EMcYrVyk
代数学が苦手で苦手で仕方がないのですが、
なんとなく一般論はやっておきたい気分です。
>>22の続きから。

89 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/11/26(金) 02:18:30 ID:eAagI+ko
ETVで自然数の倍数の判定をやっているので、
私もやってみることにする。

2の倍数:下1桁が2の倍数ならば2の倍数。そうでなければ2の倍数でない。
3の倍数:桁に表れている数をすべて足して、それが3の倍数なら3の倍数
4の倍数:下2桁が4の倍数ならば4の倍数。
5の倍数:下一桁が0または5。
6の倍数:2の倍数かつ3の倍数であること。
7の倍数:決定打は…
8の倍数:下3桁が8の倍数。
9の倍数:桁に表れている数をすべて足して、それが9の倍数なら9の倍数。
10の倍数:一桁目が0。
11の倍数:奇数の桁に表れている数と、偶数の桁の数をそれぞれ足したときそれらが一致すること。

90 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/11/26(金) 02:25:24 ID:eAagI+ko
証明していきます。

3の倍数(9の倍数)の判定の証明
4桁の自然数で証明するが、一般の自然数も同様に証明できる。
4桁の自然数は 1000a + 100b + 10c + d と表せる。
ここで a, b, c, d は 0 から 9 の整数で、a は 0 ではない。
1000a + 100b + 10c + d
= 999a + 99b + 9c + ( a + b + c + d )
と変形すると前の部分は9の倍数なので3の倍数。
よって a + b + c + d が3の倍数なら元の数も3の倍数であり、9の倍数なら元の数も9の倍数。
この a, b, c, d は表れている数であるから、示される。

91 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/11/26(金) 02:29:14 ID:eAagI+ko
3の倍数の判定法の例
1) 3572
3 + 5 + 7 + 2 = 17
17は3の倍数ではないので、3572は3の倍数ではない。

2) 2859
2 + 8 + 5 + 9 = 24
24は3の倍数なので、2859は3の倍数である。

92 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2010/12/02(木) 04:19:45 ID:PFdzYkuc
忘れないようにまとめ。証明はつけない。

(X, M, μ) をσ有限測度空間, f, g をその上の複素数値可測関数とする.
このとき可測関数全体の空間は C 上のベクトル空間になる.
さらに積 f・g も可測関数になる.

証明するために定理を一つ与えておく.

定理:
φ を R^2 上の連続関数とし, f, g をX上の実数値可測関数とすると,
φ ( f (x), g (x) ) は可測関数となる.

後はa, b ∈ C に対して φ (s, t) = as + bt とおくとベクトル空間であることが、
また φ (s, t) = st とおくと積も入っていることがわかる。
後者の積は厳密には実数だが、f・g の実部と虚部が可測関数であることを見ればよいのでこれで十分である。

93 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/01/27(木) 03:08:24 ID:4wvV6KE2
ある定理を調べて出てきたページが、
高木貞治の解析概論にそっくりだなーって思ってたら
どうやら著作権切れに合わせて、
Wikisourceが本当に解析概論を電子化していたようだ。

これは便利だ。

94 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/02/11(金) 22:42:37 ID:XgmbXadM
>>93の解析概論は打ち込み終わってますね。早い。

こっちに書き込んでいる暇が無いのが無念です。
いや、暇を作るのは自分の力しだいでしょうから、
書き込めるように頑張ります。

95 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/02/14(月) 02:18:29 ID:039Hk0ss
R上の実数値関数 f について,
・任意の実数 x に対して, f (x) = f(-x) が成り立つとき f を偶関数という.
・任意の実数 x に対して, f (-x) = -f(x) が成り立つとき f を奇関数という.


n を自然数とする.
x^(2n-1) は奇関数, x^(2n) は偶関数.
sin(nx) は奇関数, cos(nx) は偶関数.

ここで一つ,すぐに分かる命題を載せておく.

命題:
奇(偶)関数と奇(偶)関数の積は偶関数であり,奇関数と偶関数の積は奇関数である.
∵)
前半を示す.偶関数同士の積の場合は明らか. f, g を奇関数とする. このとき
f (-x) g (-x) = ( -f (x) ) ( -g (x) ) = f (x ) g (x).よって示される.
後半も明らかである. ■

96 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/03/11(金) 09:07:25 ID:kYGwLg56
教科書の意味がわからな過ぎて、
7時間悩み続け、それが今解決したことをここに記す。

97 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/04/21(木) 22:19:41 ID:j0dNSHNg
地震直前のこんがらがった頭が、
この書き込みにつながったわけです。

何を悩んでいたのか、それが問題ですが。

98 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/05/25(水) 02:18:51 ID:5lHtHyco
積分との付き合いは高校2年生のときに始まり、
理系の場合、それからずっと付き合っていくことになる。

初めて習う積分はRiemann積分の特殊な例に過ぎない。
そこから、大学へ入学すると本格的な積分に入っていくことになり、
一般のRiemann積分の定義、広義Riemann積分、最後はLebesgue積分に進むことになる。

さて、Lebesgue積分によって、Riemann積分可能な関数は
すべてLebesgue積分可能ということが分かる上に、
より多くの関数がLebesugue積分可能になることが分かる。
しかしながら、一次元の広義Riemann積分可能なものの中には、
Lebesugue積分可能でないものが存在する。
したがって、それらだけは広義Riemann積分のままで考えるのがよく、
それ以外は全てLebesgue積分と思うと積分の幅を広げられる。

99 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/05/25(水) 02:23:03 ID:5lHtHyco
∫_(0, ∞) sin(x) / x dx
は広義Riemann積分可能だが、Lebesgue積分可能でない。

広義Riemann積分可能であることは、
a_n = ∫_(0, n) sin(x) / x dx , n ∈ N
とおくと、これがCauchy列ということが分かるからである。

Lebesgue積分可能でないのは、
∫_(0, ∞) |sin(x)| / x dx
が発散するからである。

100 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/05/25(水) 02:40:33 ID:5lHtHyco
それでは、広義Riemann積分にはLebesgue積分は対応できないか、
ということになるが、実は可能である。

上の ∫_(0, ∞) sin(x) / x dx についても以下のようにすれば計算可能である。

f (t) = ∫_(0, ∞) e^(-tx) sin(x) / x dx , t > 0
とおく。e^(-tx) が [0, ∞) 上Lebesgue積分可能であることと、
sin(x) / x が (0, ∞) 上有界であることから、f は各 t に対して定義される。
両辺を t で微分し、右辺において微分と積分を交換して(Lebesgueの収束定理よりこれは可能)、
f' (t) = -∫_(0, ∞) e^(-tx) sin(x) dx
右辺において部分積分を繰り返すと、f' (t) = -1/(1 + t^2) ,
両辺 t で積分して、f (t) = -Arctan(t) + C(定数).
t → ∞ とすると、f のおき方とLebesgueの収束定理から f (t) → 0.
一方、Arctan(t) → π/2 なので C = π/2.
最後に t → +0 とすると、再びLebesgueの収束定理より
f (t) → ∫_(0, ∞) sin(x) / x dx かつ Arctan(t) → 0
なので、∫_(0, ∞) sin(x) / x dx = π/2.

101 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/05/25(水) 02:51:59 ID:5lHtHyco
このようにして、広義Riemann積分も、
Lebesgue積分可能な関数の極限として求めることができる。

ちなみにこの ∫_(0, ∞) sin(x) / x dx には他にも、
関数論の留数を用いる方法や、Fourier変換の理論を使う方法によっても計算できる。

102 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/05/28(土) 03:17:32 ID:zTkbOEJY
上のほうで群論の話がまだ途中なのですが、
関数論をちょこちょこと書いていこうと思います。
流れはCauchyの積分定理から留数定理、そして解析接続へと行ければと思っています。

103 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/05/28(土) 03:35:43 ID:zTkbOEJY
以下では曲線は長さを持つものとする。
曲線が単純とは、交わりを持たないということである.
閉曲線とは、始点と終点が一致している曲線のことである.

つまり、閉曲線はわっかなどの閉じた曲線のこと。

f が領域 Ω ⊂ C (この C は複素平面)で正則であるとは,
lim_[z → a] ( f (z) - f (a) ) / (z - a) = f' (a)
が全ての a ∈ Ω で成立することとする.

つまり、これは R 上の関数の微分可能性と形式的には変わらない。

また曲線 C ⊂ Ω と, Ω で正則な関数に対しその積分を
∫_C f (z) dz = lim_[ |Δ| → 0] f (ζ_i) (z_i - z_(i-1) )
と定義する.ここで |Δ| は C 上の点 z_1, z_2, …, z_n を分点とし,
その分点の長さの最大とする.また ζ_i は z_(i-1) から z_i の C 上の任意の点である.

これも R 上のRiemann積分の定義とほとんど変わらない。

104 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/05/28(土) 03:36:14 ID:zTkbOEJY
次の定理が成立する.
定理:(Cauchyの積分定理)
Ω を複素平面 C 内の領域とし,関数 f を Ω 上正則とする.
このとき,単純閉曲線 C ⊂ Ω であれば ∫_C f (z) dz = 0 となる.

この定理が関数論を形作る大定理である。

証明は、単純閉曲線 C は仮定より長さを持つとしていたので、
折れ線近似でき、さらにそれは三角形分割可能であることを使う。
これより、任意の三角形に対して定理が成り立つことを言えば十分となる。
肝は三角形を帰納的に構成し、区間縮小法に持ち込むことにある。

105 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/06/11(土) 22:13:45 ID:xuzCTw9k
Hausdorff-Youngの不等式の証明の本質はなんなんだろう。
肩に乗る冪がトリッキーで、いつも一人じゃ証明できない。

106 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/06/12(日) 17:02:10 ID:OdmetsMo
境界が単純な閉曲線である領域を考える。
この閉曲線が正の向きというのは、
領域を左に見ながら進む向きのことをいう。

ところでこの曲線をパラメータ付け、それを t としたとき、
この向きって t が増加する方向になっている?

107 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/06/12(日) 17:17:07 ID:OdmetsMo
>>103の積分の定義はこう定義するほうが自然である。
曲線 C が z : [0, 1] → C でパラメータ付けされているとする。
このとき
∫_C f (z) dz = ∫_[0, 1] f ( z(t) ) z'(t) dt
と定義する。

108 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/06/12(日) 17:21:25 ID:OdmetsMo
次を示そう。
曲線 C は始点が α, 終点が β とする。
∫_C dz = β - α ,
∫_C z dz = (1/2)(β^2 - α^2) ,
∫_C z^2 dz = (1/3)(β^3 - α^3).
つまりこれらの積分は始点と終点のみで値が決まる。

109 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/06/12(日) 17:34:25 ID:OdmetsMo
曲線 C を>>107でパラメータ付けする。
∫_C dz = β - α を示す。
R[ f, Δ, ξ ]
= Σ_[i = 1, n] (z(t_i) - z(t_(i-1)))
= z(t_n) - z(t_0)
= β - α.

∫_C z dz = (1/2)(β^2 - α^2)を示す。
ξ ,ξ'(閉区間 [0, 1] の分点)をそれぞれ ξ = {t_(i-1)}, ξ' = {t_i} ととる。
ここで i = 1, 2, …, n と動く。
R[ f, Δ, ξ ] + R[ f, Δ, ξ' ]
= Σ_[i = 1, n] ( z( t_i ) + z( t_(i-1) ) )( z( t_i ) - z( t_(i-1) ) )
= Σ_[i = 1, n] ( z( t_i )^2 - z( t_(i-1) )^2 )
=β^2 - α^2
よって、|Δ| → 0 (分割Δの最大の小区間の幅を0に近づける)とすると、
2 ∫_C z dz = β^2 - α^2

110 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/06/12(日) 17:47:01 ID:OdmetsMo
∫_C z^2 dz = (1/3)(β^3 - α^3) を示して今日は終わりにする。

∫_C z dz のときと同じように、分点 ξ, ξ', ξ'' を上手くとる。
ξ = {t_(i-1)}, ξ' = {t_i} は上と同様にとる。
ξ'' = {t'_i} を z(t'_i) = (z( t_(i-1) ) + z( t_i ) )/2
となるようにとる。
4R[ f, Δ, ξ'' ]
= Σ_[i = 1, n] (z( t_(i-1) ) + z( t_i ) )^2 ( z( t_i ) - z( t_(i-1) ) )
= Σ_[i = 1, n] (z( t_(i-1) )^2 + 2 z( t_(i-1) ) z( t_i ) + z( t_i )^2 )( z( t_i ) - z( t_(i-1) ) )
これに注意すると、
R[ f, Δ, ξ ] + R[ f, Δ, ξ' ] + 4R[ f, Δ, ξ'' ]
= Σ_[i = 1, n] 2(z( t_(i-1) )^2 + z( t_(i-1) ) z( t_i ) + z( t_i )^2 ) ( z( t_i ) - z( t_(i-1) ) )
=2Σ_[i = 1, n] ( z( t_i ) ^3- z( t_(i-1) )^3 )
=2(β^3 - α^3)
よって、|Δ| → 0 とすると、6∫_C z^2 dz = 2(β^3 - α^3) が分かり示される。

111 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/06/20(月) 04:24:41 ID:BE2KvszM
非斉次のn階線形常微分方程式の解き方を近いうちにfollowしましょう。

112 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/07/01(金) 23:13:40 ID:8whMn6BU
>>111を忘れてた。今晩中に。
関数論も先に進めたいところですね。

113 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/07/02(土) 00:28:00 ID:kt3aICwI
サイエンス0でRSA暗号をやっていたので、
私の復習のために書いてみることにする。

1st step:鍵をつくる
1)「巨大」な素数 p, q を用意し、
n := pq とおくと φ(n) = (p - 1)(q - 1) (オイラー関数)である。
2)φ(n) と最大公約数が 1 になる自然数 e をえらぶ。
3) de ≡ 1 (mod φ(n))となる d をえらぶ。
4)(e, n) は公開し、(p, q, d) を秘密にする。

2nd step:情報のやりとり
鍵を作り(e, n)を公開したAさん と 情報 M(自然数)を伝えたいBさんがいたとする。
Bさんは公開鍵を元に C ≡ M^e (mod n) をAさんに送ってやる。

3rd step:復元
Aさんは送られてきた C について C^d ≡ M (mod n) で復元する。
復元可能の根拠はオイラーの定理である。

114 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/07/02(土) 00:55:46 ID:kt3aICwI
定理:(オイラーの定理)
x^φ(n) ≡ 1 (mod n)
が成立する。ここで n は自然数、x は n との最大公約数 1 となる数。

115 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/07/03(日) 16:59:09 ID:qqWu0c7+
夜じゃないのに数学。

(X,O(X)), (Y,O(Y)) : 位相空間
写像 f : X → Y が連続とは, 任意の G ∈ O(Y) に対して f ^(-1)(G) ∈ O(X) となること.
すなわち,開集合の逆像が開集合となること.

ところで, R^n の領域 Ω とその上の実数値関数 f に対しても連続という概念はある.
x ∈ Ω で f が連続とは,任意の ε > 0 に対して, ある δ > 0 が存在して
| f (x) - f (y) | < ε , for || x - y || < δ が成立すること.

R^n の開集合という概念はあるので R^n に制限すると,上と下は同値なはず.

116 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/07/03(日) 22:06:08 ID:qqWu0c7+
下の連続の定義について,訂正と補足をします.
・3行目 for 以下に, y ∈ Ω を追加.
・Ω の任意の点で f が連続であるとき,f は Ω 上連続という.
上でいっている同値になるというのはこの追加したもの.

117 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/07/04(月) 23:55:22 ID:IjWB7Dfo
(上)⇒(下)
x ∈ Ω, ε > 0 を任意にとる.
{ y~ ∈ R | | f (x) - y~ | < ε } は開集合.
ここで集合 f^(-1) ( { y~ ∈ R | | f (x) - y~ | < ε } ) に x は属し,
また仮定によりこの集合は開集合となるから,
ある δ > 0 が存在して
 { y ∈ Ω | || x - y || < δ } ⊂ f^(-1) ( { y~ ∈ R | | f (x) - y~ | < ε } )
が成立する.後は
  f^(-1) ( { y~ ∈ R | | f (x) - y~ | < ε } ) = { y ∈ Ω | | f (x) - f (y) | < ε }
から従う.

118 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/07/29(金) 03:41:36 ID:Zv1QTAkw
無理数と無理数の和は無理数か?
偽. 2 - sqrt(2) + sqrt(2) = 2.

無理数と有理数の積は無理数か?
偽. sqrt(2) ・ 0 = 0.

無理数の無理数乗は無理数か?
偽.
まず, log_[2] 3 は無理数である.
そうではないと仮定すると有理数なので
log_[2] 3 = p/q, ただし p は整数, q は自然数とかける.
これより 2^p = 3^q. これは素因数分解の一意性に反する.よって log_[2] 3 は無理数.
さらに, 2log_[2] 3 = log_[sqrt(2)] 3 も無理数になる.
これを無理数である sqrt(2) に乗すると, sqrt(2) ^ ( log_[sqrt(2)] 3 ) = 3.
すなわち無理数の無理数乗で有理数になるものが存在する.

119 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/08/08(月) 21:42:44 ID:1VQ85AO2
世の中は統計学に興味があるのか?

120 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/08/16(火) 15:47:13 ID:rYdFicIo
無限遠方で 0 に収束する連続関数全体を C_0 (R^n) と書く.
急減少関数空間を S(R^n) と書く.

C_0(R^n) は L^1 (R^n) に含まれない.
反例は 1/|x| など.
さて、S(R^n) ⊂ C_0 (R^n) だが、S(R^n) ⊂ L^1 (R^n) だろうか?

121 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/08/16(火) 16:15:14 ID:rYdFicIo
>>120訂正.反例は χ_[1, ∞) (|x|) / |x| .
書き込んだ途端に解けたので.

S(R^n) ⊂ L^1 (R^n) である.
任意の f ∈ S(R^n) をとる.急減少関数なので、
|x|^2(n+1) |u(x)| ≦ M, for any x ∈ R^n
となる M が存在する.
さらに,必要なら M を取り直して
|u(x)| ≦ M for any x ∈ B(O;1) とできる.
∫_R^n |u(x)| dm(x)
= ∫_ B(O;1) |u(x)| dm(x) + ∫_( R^n - B(O;1) ) |u(x)| dm(x)
≦ M m( B(O;1) ) + M ∫_( R^n - B(O;1) ) 1/|x|^2(n+1) dm(x)
ここで先の注意を用いた.

122 :107 ◆Dnhm9Q9euc :2011/08/16(火) 16:16:11 ID:rYdFicIo
後は
∫_( R^n - B(O;1) ) 1/|x|^2(n+1) dm(x)
= ∫_[1, ∞) (∫_∂B(O;r) 1/r^2(n+1) dσ(ω))dr
= n m(B(O;1)) /(n+2) ≦ m( B(O;1) )
により ||u||_L^1(R^n) ≦ 2M m( B(O;1) ) が分かったので示された.

注意
・|x|^2(n+1) |u(x)| ≦ M の指数 2(n+1) は
|x|^2(n+1)が多項式になりかつ最後の積分を有限にするという二つの目的の為である.

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