定理:(線分上の不動点定理) f : [a, b] → [a, b] を連続関数とする. そのときにある c ∈ [a, b] で f ( c ) = c となる点 c が存在する.
(証明) g (x) = f (x) - x として[a, b]上の関数 g を定める. 仮定より g は連続関数である. ここで, a ≦ f (a) ≦ b, a ≦ f (b) ≦ b, であることに注意すると, g (b) ≦ 0 ≦ g (a) となる. g (a) = 0 または g (b) = b ならば f (a) = a または f (b) = b ゆえ示される. そこでここでは g (a) ≠ 0 かつ g (b) ≠ b とすると, g (b) < 0 < g (a) となるので連続関数における中間値の定理より, ある c ∈ [a, b] で g ( c ) = 0 となる点 c が存在する. この c について f (c) - c = 0 であるから示される. ■
3の倍数(9の倍数)の判定の証明 4桁の自然数で証明するが、一般の自然数も同様に証明できる。 4桁の自然数は 1000a + 100b + 10c + d と表せる。 ここで a, b, c, d は 0 から 9 の整数で、a は 0 ではない。 1000a + 100b + 10c + d = 999a + 99b + 9c + ( a + b + c + d ) と変形すると前の部分は9の倍数なので3の倍数。 よって a + b + c + d が3の倍数なら元の数も3の倍数であり、9の倍数なら元の数も9の倍数。 この a, b, c, d は表れている数であるから、示される。
S(R^n) ⊂ L^1 (R^n) である. 任意の f ∈ S(R^n) をとる.急減少関数なので、 |x|^2(n+1) |u(x)| ≦ M, for any x ∈ R^n となる M が存在する. さらに,必要なら M を取り直して |u(x)| ≦ M for any x ∈ B(O;1) とできる. ∫_R^n |u(x)| dm(x) = ∫_ B(O;1) |u(x)| dm(x) + ∫_( R^n - B(O;1) ) |u(x)| dm(x) ≦ M m( B(O;1) ) + M ∫_( R^n - B(O;1) ) 1/|x|^2(n+1) dm(x) ここで先の注意を用いた.
つまり、整域 R(「ab=0」ならば「a=0 または b=0」が成り立つ可換環)で、 ノルム N : Rー{0} → N(自然数の集合)が定義されているとする。 このとき次の2条件を満たすとき R をユークリッド整域という。 1)割り算の原理が成り立つ。すなわち,a, b ∈ Rー{0} ならば a = b q + r および 0 < N(r) < N(b) が成り立つ q, r ∈ R が存在する。 2)a, b ∈ Rー{0} に対して,N(a) < N(ab) が成り立つ。
L / K を代数的拡大とし、Ω を K の代数的閉包とする。 F ∈ K[x] が Ω で重根を持たない(持つ)とき、F(x) を K 上分離的(非分離的)な多項式という。 α ∈ L の K 上の既約多項式が(非)分離的のとき、α は K 上(非)分離的という。 L の元がすべて分離的のとき、L は分離的拡大という。 そうでない、つまりひとつでも非分離的な元が存在するときは非分離的拡大という。
K の標数が 0 ではないときにしか、非分離的という現象は起こらない。
L か Ω への中への K 同型写像全体の個数を分離次数といい [ L : K ]_s と表す。 L / K が分離的拡大 ⇔ [ L : K ] = [ L : K ]_s のような気がするが…証明はまだしていない。
L / K が単拡大、すなわちある分離的で次数が n である元 α で L = K ( α ) と表せるとする。 1)α の K 上の既約多項式を F( x ) = Σ_[k = 0]^n a_k x^k とする。 このとき [ L : K ] = n = deg ( F ) である。 2)F の根を α_1, α_2, …, α_n とする。 任意の β ∈ L は、β = Σ_[k = 0]^[n - 1] b_k α^k と書ける。 写像 φ_i : β |→ Σ_[k = 0]^[n - 1] b_k α_i^k は L から Ω への K 単射準同型である。 逆に K 単射準同型 φ はすべて上の形をしている。 つまり [ L : K ]_s = n が成り立つ。 以上、1)と2)の議論から [ L : K ] = [ L : K ]_s が成り立つ。